クラフトリキュールづくりに挑戦
朝、晩と冷え込むようになり秋も深まってきた。夏の酷暑に耐え、青々と葉を茂らせていた木々は葉を落としはじめて休眠時期になり、屋外で過ごしやすい季節は早く過ぎてゆく。
自然からの贈り物は植物の生育の適切な時期に数回訪れるが見過ごしてしまうと収穫の喜びは1年間おあずけになってしまう。植物はそれぞれ収穫時期が違うので生長具合を観察してどんなことに利用できるか考える。こんなことも楽しみの一つ。
手づくりの化粧水づくりに欠かせない材料としてハーブリカーがある。手作り化粧水の保存料としてアルコールを添加するのだけど、どうせなら薬草から抽出した効能の効果を期待したい。市販のクラフト蒸留酒は良質な商品があるようだけど高価格でなかなか手が出ない。そこで手に入る薬草を市販のリカーに漬け込むだけのお手軽クラフトリキュールを作ってみることにした。
漬け込むアルコールは手に入りやすいアルコール分25%の焼酎を選んだ。
作り方
1.素材となるそれぞれの薬草を収穫後すぐに、用意したちょうど良い大きさのびんに詰めて薬草が浸かるくらいまでアルコールを投入する。薬草が浮き上がってしまう場合はラップを上に詰める。漬け込むこと1ヶ月。
2.1ヶ月過ぎたら濾過してリキュールを別のビンに詰める。
植物の収穫量に応じてアルコール分量を調整するのであまりむずかしく考えなくとも作ることができる。
バレリアンは花と葉を別のビンに詰めた。
ホップは花を。
西洋ニンジンボクは花のつぼみを。
その他にヨモギ、和ハッカ、モナルダ、ワームウッド、アカシソ、ラズベリー。
特にラズベリーの果実は出来上がりの色と香りがよくておすすめの素材。
ハイビスカスローゼルはお茶として利用する萼をとった後の種を漬け込んでみた。
植物の利用部位はその目的に応じて色々あるのでどの部位を使うかは自由に捉えてかまわないのではないかなと思う。ハイビスカスローゼルは赤い色素が美しい萼をハーブティーや抽出液として主に利用することが多いけど、種を含んだ部位はローゼル特有の粘液がさらに多く抽出したリキュールができる。手づくり化粧水の保湿効果を目的に利用できそうだと思った。
これからの冬の間、手づくり化粧水の材料として色々なリキュールを試してみる楽しみが増えた。
コンニャク芋で手作りコンニャク
秋の収穫物、コンニャク芋。両手を広げたくらいの大きさだ。重さは約2kg。
コンニャクの苗を頂いて3年ほど栽培したものだ。栽培したといっても手間はかけず、植えておいたものが大きくなったので掘り上げてみたら想像していたよりもよく育っていたのだ。
仲間内で集まり、野外でコンニャク作りに挑戦することにした。子供の頃、母親が手作りしていたのを遠目に眺めていたというおぼろげな思い出のある人が数人いたものの、コンニャク芋そのものから実際に作るのは皆初めてだった。参加者それぞれがネットで作り方を学んでから調理実習に取り掛かった。
素手でコンニャク芋を扱うと皮膚のかゆみが出るので手袋は必需品だ。
皮をたわしで擦り落とし(落とさなくともよいらしい)、周りの小さな芽も取る。皮を剥いたコンニャク芋は特有のぬめりが出て扱いにくくなるので包丁さばきが危うくなる。参加者のひとりの切り落とした芽の部分を下にすると滑りにくいよとのアドバイスがあり、実際にまな板に密着するので滑りにくくなり作業ができる。そこへスイカ専用の大包丁を入れる。
中身はきれいなクリーム色でなめらかそうだった。作業効率を考えて1kgづつ二手に分かれて調理作業に入ることにした。
コンニャク芋は包丁の入りがよく、シャリシャリした感覚で長芋のような質感だった。扱う内に徐々に酸化で赤茶の斑点がにじみ出てくるので手早く調理を進める。
細かい芽と皮を取り除いた一口サイズのコンニャク芋1kgと50度程度のお湯4Lを用意する。一度にミキサーにかけることはできないので数回に分けて作業する。コンニャク芋とコンニャク芋が十分に回る程度のお湯をミキサーの容量に合わせて投入する。
2〜3回軽く回して粉砕してから30秒くらいの連続回転。とろりとなっていればよしとする。
これを数回に分けて繰り返す。
この鍋の分量は約1kgのコンニャクとプラス4Lのお湯。時間が経つほどに緩みが無くなってくるようだった。ミキサーで撹拌するための水分は目分量で投入したのでお湯が余ってしまった。余ったお湯は凝固剤(消石灰)を溶かすために100m l残す他は全ての分量を合わせたボウルの中に入れて最終的に泡立て器で馴染ませた。
二手に分かれて作業して出来上がったコンニャク芋ペーストは見た目の違いがあった。ミキサーで撹拌した方はなめらかなペーストに仕上がり、フードプロセッサーを使った方は芋の形状が残る仕上がりで同じ水分量であってもかなり緩く、追加で火にかけて緩みを少なくした。どちらが良いかは茹で上がりのお好み次第か。
30分ほど放置して馴染ませると硬さが増しているようだった。コンニャク芋ペーストの温度は40度だった。暖かいうちに凝固剤(消石灰)を入れる。
手早く撹拌しつつ、色が変わってきたら撹拌終了。少し灰色に変化したようだった。
バットに移し30分ほど放置する。分量が多いので家庭用バットではなく、発泡スチロールを利用して型をとった。芋離れの心配があったが割と簡単に離れたのでよかった。
熱湯を入れた鍋を用意する。型から取り出して切り分けたコンニャクはまだ柔らかく、気をつけてながら切り分ける。30分湯がくうちにコンニャクの香りも増してくる。湯がくことでアクが抜け、更に硬くなる。野外調理はここまでにした。
早速、試食準備に入ったが30分間湯がいたばかりのコンニャクは表面の色は明るい灰色だが中身の色は茶系の黄色味が強く、湯がきが足りないように思われた。
刺身状に薄く切ったコンニャクを再度30分熱湯で茹でると徐々に明るい灰色に変わった。コンニャク芋は思った以上によく茹でなければならないことがわかった。
出来上がったコンニャクは田楽みそで試食したところ、噛むほどに水分を感じるので田楽みそが弾かれるようだった。美味しく食べるにはコンニャクが出来上がってから、コンニャクの水分を少し抜く必要があるなと感じた。
残りのコンニャクは各自、自宅で食べるように取り分けた。調理して、美味しく食するまでにはもう一手間必要だなと思った。
8月の畑作業
8月に入って30度越えの暑さが厳しい夏真っ盛り!
今年、新しく借りた畑の用途をまだ決めていないままにしていたらオヒシバと思われるイネ科の草が繁茂した。写真の背丈は1mほど。
畑地は放っておくと、はじめ茎が細い草が生えてきて徐々に樹木の硬い枝のような草が生えてくる。そして笹、竹など根っこが頑丈で取り除きにくい植生に変わり私たちが再度、畑地として利用する事が難しくなってくる。
草の種が落ちる前の8月中に全ての草を刈ってしまうのを目標にして少しずつ手を入れていく。
熱中症に気をつけて、作業する時間帯は少し涼しく感じるお日様が上りきる前の時間帯または日の落ちる時間帯を見計らって草刈りをする。
草刈り終了!とホッとしたものの、8月始めに草刈りした手前の箇所には既に新しい草が生えてきている・・・。まあ、まあ、まあ・・・。
向こうに見える背の高い草地は別の方の所有する土地。
夏は草刈りが主な作業になる。滅入ることがないように毎日少しずつでも進めていけばいいと軽く構えている。夏場の草はあっという間に茂るので嫌がられることも多いけど、草があることで土の渇きが抑えられるという利点がある。草を刈った後の緑色の平面は気持ちがいい。
降雨が少なく、暑さが厳しい時期は雑草を刈ってそのまま放置しておくだけで良い天然マルチ材ができる。秋から春に向けて苗を育てる間の保護材として使える。
私は花の種から育てて、それが開花する様子が好きなので主に花卉栽培に集中してきた。
初めて育てることのできた花の開花は喜びも大きく、園芸仲間との会話も弾む。
野菜と花卉は生育期間が違う。夏野菜は葉っぱや根を食べる目的なので2〜3ヶ月間の世話で収穫できる。一方の花卉は開花を目的とするので期間が野菜の倍掛かると思っていい。中には1年以上掛かるものもある。
生育期間中、野菜は肥料や養分が花卉に比べて倍以上必要だという事に気づいた。短い期間に葉っぱの様子をよく観察する必要がある。植物が今、何を欲しているのかまたは何が過剰なのか見極めが大事だということも気付かされた。
植物の世話は人の生活を潤すものだと思っている。野菜でも、花卉でもその人の生活を潤すための植物は何が良いか選ぶ人それぞれ違うと思う。
私が思う「植物を選ぶ基準」は、その植物の目的とする「生育期間」を目安に自身の生活スタイルに合わせた無理のない「育てられる植物」を選んでもいいのかな。
どうしても育ててみたい植物があればトライしてみていい。失敗する可能性が大きいと思えばあれこれ手を出さずに集中して世話をする工夫をしてみる。
上手く栽培できた時の喜びはひとしおだ。
7月作業の中で
酷暑。5月に入ると30度近い夏日があって植物の生長具合にハラハラ、6月は長雨で作業日程がずれずれ、梅雨明けの7月半ばには草丈がのびのびと。やらなければならない作業が山積みになる季節はこちらの観察眼が追いつかないほどになる。炎天下に元気に繁茂する植物たちの生長の様子はまさに「植物はヒトを操る」。いとうせいこうさんと竹下大学さんの共著のタイトルに深くうなずかされる。
夏野菜が取れ始めている。
花苗は苗を育てるために生長具合に合わせてポットで育ててゆくが、野菜苗はものによっては育てたい土壌に直接タネをまく。ニンジンは土に直接タネをまくものなので5月に入ってから気ままにプランターにまいてみたところ、人差し指ほどのニンジンが成った。
オクラは毎日収穫できるけど、取りそこねることもあるので今回は外さやがやわらかい品種を育ててみた。
ハイビスカスのような花は食べられるようだけど食べたことはまだない。
花のあとはさやができてこれが手頃な大きさに成ったら収穫する。
さやがやわらかく、歯触りがよくて美味しい。
モロヘイヤはバッタの食害に遭いやすいので気づかれる前に茎を切ってこちらが先に食べてしまう。
日々、植物を人間の都合に合わせる難しさを痛感するので私にとってあまり完璧にこなさないのがポイント。日本列島は災害にあう事が多いと頭に入れておいてこれまでの作業が無駄になってもがっかりしないように心づもる。
ちょうど今はトルコキキョウが開花してくれて私の目を楽しませてくれている。種から育てる過程では気候変化に対応するなど色々気にかけなければならないことが多く、3ヶ月ほどは種の絵袋を時々見ながら確認しつつ育てていた。
失敗したとしても来年また挑戦してみればいい。上手く育てられた時には園芸仲間とよろこび合おう。
ビスカリア種まきから開花まで
タネから花や野菜の苗を育てることを始めて10年以上になる。
本を見ながら見よう見まねで初心者向けのミニトマトに挑戦。
当時は川砂を用いて住友化学の液肥を与える栽培方法だった。葉っぱばかり元気に育ち期待した実はあまり付かなかったことを記憶している。
それでも育つ様子を毎日観察するのは楽しく、小さな感動があり生長の喜びがあった。
今でもタネから育てることを続けているのはそんな喜びがあるからだと思う。
ビスカリアの栽培は2度目。昨年は発芽に失敗してしまったので育てることができなかった植物。今回は残ったタネで再度挑戦してみる。
真冬の間、室内で保温しながら観察していると、小さな苗が出現してきた。外気温はマイナス10度まで下がる日もあってホントに苗がしっかり育つのか心配な時期でもある。
2週間ほどが過ぎると4枚の葉になってきた。日中、暖かくお天気なら室外に置いて十分に日光に当てながら時々薄い液肥も与えてあげる。
苗の生長に合わせて3月から5月まで何度か鉢上げを繰り返す。昨年の栽培の失敗を反省して、今回は通気性を高めるために腐葉土を多めに配合することにした。これが真冬の水やり後の用土の凍結を防ぐことにつながり今年は初夏に花を咲かせるまで育てる事ができた。
ビスカリアは7月まで花が咲くようなので、これからは炎天下の水切れに注意しなければならない。畑へ地植えするか、このまま鉢のまま育てるか思案している。
ミツバチのこと
初夏、日中の気温がぐんぐん上がる頃になると、畑のあちらこちらでハチやチョウチョたちが飛び回るようになる。昆虫の活動が盛んになる時期は私の園芸仕事もあれやこれやと忙しい。
冬の間は畑の様子が殺風景に見えていて草木が生い茂る季節が本当に来るのかな?などと思い巡らせていた。そして今は植物が輝き始め、今年も美しい姿を見せてくれている。花に集まるミツバチたちの数が増えてくると養蜂について知りたくなってきた。
ミツバチたちの活動が気になって色々な情報を集めてみた。調べてみると、ハチの病気や感染症など気をつけなければならないことも多く巣箱を設置したら毎日の世話が必要だということが分かった。養蜂家を気軽に始めるわけにはいかないようだった。私ができる事はミツバチたちが花の蜜を集めたり、植物の受粉や花粉を運搬するための植物である蜜源植物を増やすこと。
ミツバチが作り出す物は抗菌力が強く疲労回復にも役立ち色々な商品が開発されている。
食材として、手作りコスメの素材、ろうそくの原料として。
特にはちみつは身近なマーケットで品質が良さそうな品を買い求めることができるので利用しやすい。
イチゴの収穫
待ちに待ったイチゴの季節到来!
一昨年、三株から始まったイチゴの苗をザッと百株に増やして栽培にチャレンジしてみた。
畑へ植え付けた後の2月の様子。
根っこが定着したら白いマルチングを掛けて、イチゴ畑らしい様になった。
4月の様子...
元気な苗が育っている様子は私の他にも見ている者がいるようだ。
カラスが上空から見ていて、白いマルチの中身がゴミ袋の様にも見えるようで、カラスがマルチを突き始めた。
慌ててイチゴ苗の上にネットを貼った。
5月になると..
すっかり丈夫な苗に育ち、頼もしい。グングンと育ってくれた。
プランター栽培
4月の様子。花付きも良く、ミツバチたちが忙しそうに受粉作業をしている。
イチゴの苗はよく育ってくれる。
赤色は人の心を元気にしてくれるので毎日食卓に収穫したイチゴがあると
気持ちが上向きになる。
プランター栽培でも十分に育つのでおすすめ。